代表挨拶

 成長する新興国市場への対応、サムスン電子を初めとするアジア系企業の追い上げ(追い越し)、医薬品産業や小売業界などでみられる欧米多国籍企業の日本市場進出加速など、日本企業を取り巻く経営のグローバリゼーションは一段とそのフェーズを上げたかに見えます。それらの経営環境変化に対応して。企業は勿論、大学から果ては高校教育に至るまで、「グローバル人材」論が盛んになっています。

 しかし、政・労・使、個別企業、大学の対応は、その多くが「グローバル人材論」から始まりながらも結局は、英語力を中心とする「語学力強化対策」に終始してしまっており、わずかに「教養教育」の重要性が提言されてはいるが、それがカリキュラム化され、その下で人材が育ち、「グローバル人材」として、日本企業の戦力となるにはまだまだ時間が掛かるでしょう。

 しかし、三洋ブランドのあっけない崩壊、シャープ液晶王国の転落を目の当たりにするとき、グローバルな企業間競争は待ったなしで日本企業を襲ってきていることを実感します。日本企業にどれだけの時間が残されているのか、考えるより前に進むしか道はありません。明治維新が言わば「ぶっつけ本番」であったように、我々は走りながら考え、考えながら行動して、この「第三の危機」を乗り越えなくてはなりません。

 但し、経営科学は企業の実務と切り離して考えたり、海外の考え方・仕組みをそのまま導入したりするとかえって危険なことは、例えば、1990年代から日本企業に流行った「成果主義賃金制度」の導入と失敗、その修正などの実例が示す通りです。むしろ、日本企業の当面する実務・経験を材料・素材として、先行する欧米企業のプラクティスと併せて「科学」して行くことが有効だと考えられます。

 我々は、ここに「一般社団法人 グローバル人材育成研究会」を立ち上げ、広く日本企業の採るべき組織、人事、グローバル化などの問題について調査研究と情報交換、ディスカッションを行ない、その成果を日本企業、取り分け経営幹部やトップ・マネジメントに提言していくことで、日本企業の競争力回復・向上に資することを目指します。


一般社団法人グローバル人材育成研究会
代表理事 藤野哲也